すしの味と旨さの表現言葉

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干物になったカジキ君
干物になったカジキ君

このコハダとマグロの丼、美味しいねぇ。

干物になったエイ君
干物になったエイ君

美味しい。

もっと相手に美味く旨さを伝える表現があるのではないのだろうか・・・?

 

そもそも味とは何か?

味とは何かというと味覚、嗅覚、触覚、温感視覚が作用して構成される。
というのが定説。

味覚
甘い、塩辛い、ピリッと辛い、酸っぱい、苦い、渋い、油味、酒精味など。
嗅覚
甘い香り、新芽の香り、花の香り、海苔の香り、磯の香り、アンモニア臭、生臭さ、腐臭、硫黄臭さ、くさやの臭さ、金属集臭さ等々をかぎ分ける。
触覚
固さ、柔らかさ、脆さ、粘り気、舌触り、歯触りなど。
温感
厚さ、冷たさ、温かさ、ぬるさ。
視覚
形態及び色の判断。

 

旨さの表現言葉一覧

 

観念的な表現

・旨い
・おいしい
・いける
・オツな味
・逸品
・絶品
・絶妙
・抜群
・見事
・一級品
・出色
・気品がある

少し凝った表現

・質が高い
・吟味された材料
・素材は日本一!
・魚を選ぶ確かな目
・平凡の中の美味

文学的な表現

・鮨のために生まれて来たネタを、鮨を握るために生まれたような職人が握る
・握ることによってタネの旨さを引き出す

技術的な褒め言葉表現

・本格的で素晴らしい
・仕込みが丁寧
・正調江戸前らしい
・古風な基本を守っている
・丹念な下ごしらえ
・新しい工夫
・丁寧に整えられている

味覚面の表現

・軽い味
・まろやか
・鮮度の高さ
・細やかな味
・キリッとした
・すっきりした

視覚面の表現

・ほれぼれする程の美しい形
・素晴らしい色艶
・凝っている
・むっちり肥えた

嗅覚面の表現

・香りが高い
・独特の香りが染みて
・季節の香りがする

触覚面の表現

・パリパリと口の中で溶けてゆく海苔
・舌がとろけるよう
・トロッとして柔らかい
・ねっとりした
・歯切れのよい
・口の中でパラッとほどける酢飯

何かを引用した表現

・かの魯山人をうならせた
・他所では喰えない味

 

干物になったエイ君
干物になったエイ君

むむむ、味の内容を人に伝えるのは結構難しいですね。

 

コハダとマグロ丼の旨さの表現の例

コハダは小骨が多く、煮ても焼いても食えない魚といわれるが、塩と酢で〆ることによって、忽ち鮨の原点と言われる地位にのし上がる。
涼しい夜風に吹かれながら、コハダで一杯というのは江戸っ子の真骨頂ではなかろうか。
粒の揃った鱗の斑点が、青と銀の光を放ちながら整然と並び、そこにはうっすらとかけられた醤油が金色に光っている。
その輝きは次第に銀一色になって両脇に移行している。
程よい大きさのコハダであり、タネの下には酢飯が丼にひき詰められている。

コハダの奥にはマグロが顔を覗かせている。
マグロの特徴と言うと密度の詰まった見質の旨さで、絶妙に鉄分ぽさを感じさせる酸味と、大海の中を颯爽と縦横無尽に回遊してゆく巨大な勇姿をも連想させる鮮烈な血潮の香りがするのが特徴である。

今回はコハダに焦点を当ててみる。

さっそく、コハダを口に近づけてみるとほのかな酢の香りが鼻腔をくすぐる。
口にしてみる酢飯は糊気はなく、程よい硬さである。
酢飯は冷たくもなく暖か過ぎず、人肌の温度である。

コハダの身は程よく肥えている。
酸味はコハダの身のすべてには浸みず、生きのよい生身の味が残り、酸っぱさは感じられない。
それが酢飯と出会ってほどよい酸味になる。
ワサビを少しつけてみる。
ワサビの辛さと香りがほんのり口腔を刺激し、醤油の柔らかな塩味が、コハダの身から浸み出る肉汁と、混然一体となって口の中に広がる。
あまりに早く口の中を通過しては勿体ない気がする。喉元を過ぎると幸せという感覚が全神経一杯に伝わる。コハダを喰ったという満足感にしばらく浸る。

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