すしの脇役「山葵(わさび)」

すしを食べる際にワサビがあるとどんな効用があるのか?
調べてみよう。ワサビに対する価値観が変わるはずです。

ワサビの種類

大きく大別すると2種類に分類できる。

真妻(まづま) 赤茎

ワサビの最高品質である。
茎は、深く濃い緑色。葉の付け根の部分は赤っぽいのが特徴。
名産は伊豆。天城山中は適している。
段々の沢を作り、上の方で沸く湧き水を下に流れていく形で栽培。
湧き水の水量も水温も一年中変わらない事が条件である。
水温は10~15度ぐらい。気温は温かい所ではないところが適している。

育ちが遅い。苗から3年たたねば使い物にならぬとされていたが今は1年半位でどんどん市場へ出してしまうので、良質なワサビが手に入らなくなってきている。

栽培は難しい。1本のワサビの母体から採れる分根の苗種はたったの2本。

身質は良い。身の詰まりは硬い表面のぶつぶつの突起は小さく、びっしりと間隔狭く螺旋状に揃っている。
辛味の中に、品の良い甘みがあり、さわやかな香りを持つ最高品種のワサビである。

実生(みしょう) 青茎

茎、葉の付け根、すりおろしたワサビの色、共に青白っぽい。
成長が早い。ワサビの水分多め。
早く育つので経営上の採算効率が良く安定。
実生の葉茎は「真妻」のものより早く大きく成長するため、ワサビ漬け加工業者への原料販売が大量にでき大きなメリットもある。
表面のぶつぶつが大きい。間隔は広い。
身質が柔らかいため、すりおろしてゆくと、すぐ減っていってしまう。

辛味は強いワサビ独特の甘みと香りは「真妻」と比較すると欠ける

ワサビの歴史

純然の日本産。
醍醐天皇の頃の927年にできた本に朝廷に献上されたという記録がある。
大根なんかと同じアブラナ科で、葵の葉っぱによく似た模様があるので、山の葵と書くようになった。
東京に伝わったのは明治の初めらしい。

ワサビの名産地

ワサビの名産地は中伊豆(湯ヶ島、天城、冷川)と御殿場である。
今でも中伊豆は生産量日本一で「実生」「真妻」を栽培している。

ワサビの旬

ワサビは、初秋の頃より身質がしまり始め旨みが増してくる。
旬の最盛期は晩秋から冬にかけてで、辛味、甘み、香り共に強くなり粘りも出てくる。
2月頃には、もう花をつけ始め、3月、4月には次々と花を咲かせ、それと共に身質を落としてゆく。

ワサビの殺菌効果

冷蔵庫がなかった時代、魚の生臭さを消し殺菌作用によって腐敗を防ぐワサビは欠かせない存在であった。
今現代は冷蔵や保存技術が進んでいるが、防腐や臭み消しの役割は変わらない。
殺菌力はワサビの中にある酸素の一種が活性酸素を生む性質があり、その活性酸素に殺菌力がある。

ワサビのすりおろし方

一般的におろし金かサメの皮でおろす。
ワサビの表面のぶつぶつを軽く包丁の背で落とす。←やらないとすって食べた時に口に残る。
ワサビの茎のほうを削り取り落とした側を下にして丸を描くようにすりおろしていく。
おろし金の荒めでさっと手早くおろして、包丁の背でトントンとたたく方法と
目の細かいおろし金を使って十分に粘りがでるようにおろすやり方がある。
前者はワサビの香りと甘みをださせる。
後者はワサビの刺激と絡みをださせる。

すし、刺身を食べるときに気をつけたいのは

ワサビを醤油で溶いて食べる行為はNGである。
ワサビは揮発性だから醤油に溶いてしまうと、辛味も香りもとんでしまう。

刺身の上にワサビを少量のせて、醤油にワサビをつけさせず召し上がると辛味と香りを楽しめ、美味しく味わうことができる。

本ワサビを食べる機会は少ない。粉ワサビ、チューブワサビの話

高級店などに行かなければ本ワサビは食べれないかもしれない。
それなりにワサビもいい値段がするからである。

そこで、よく回転すしやスーパーや一般的な居酒屋などで出回っているのがチューブワサビ粉ワサビである。
粉ワサビの原料は西洋ワサビである。
西洋ワサビを粉末状にしてあり水に溶いて練り上げて食べる。
化学調味料が少ないのが印象。

チューブワサビはお手軽、食べるときにそのまま搾ればすぐに食べられる。

できれば本物のワサビを食べたいが経済的に難しいのが現状である。

干物になったサメ君

良いワサビを使って刺身を食べたいですね。

干物になったエイ君

是非、本物の美味しさを試してみてください。

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