魚の旬とは何か?「走り・旨さ・名残」

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魚の旬とは何か?いつなのか?

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魚を美味しく食べるには、旬というのを理解しておこう。

すべての魚介類は、四季の移り変わりとともに旨さの持ち味を、微妙に変化させてゆく。
その中で、身肉が最も充実し、脂が乗り、最高の旨さを発揮する時期を「旨さの盛りの旬」という。

しかし、旬の捉え方はもう少し多様で、魚種によってはかなりの時期にわたる旬を言われることがある。
3つの旬に分類する。

1 季節的走りの旬
2 旨さの盛りの旬
3 漁獲量的盛り(名残)の旬

やはり魚介類の美味しさの真髄は「旨さ盛りの旬」であり、魚にとって一番美味しい時期である。

1 季節走りの旬

やがて来る「旨さ盛りの旬」の季節を先取りし、旨さはまだ未成熟ながら、文化的な伝統・行事・風習や地域的なこだわり等を背景に季節への期待と憧れを持って愛でる。
日本独自の旬の捉え方である。
魚種や漁獲量によって値段が暴騰することが多い。

例:初鰹

女房を質に入れてまで食べると言う」とまで江戸時代の人は言ったそうな。
鰹は鮮度が落ちやすく、色鮮やかな身は褐色が早いし旨味と香りも劇的に落ちるが故に気の短い江戸っ子がプライドや見栄と意地、誇りをかけて競ったのだ。

例:新子

小肌の幼魚の新子も初物は、通常時の小肌の㌔単価よりも、50倍もの高値を付ける。
初物好きな江戸っ子の粋と心意気の世界は今も続いている。

2 旨さ盛りの旬

全ての魚介類は、産卵の時期を中心にして、旨さの旬を特定することが出来る。やがて来る産卵のために、食欲を増大させ、身肉が太り、脂が乗ってくる。肝は大きく成長し、卵・精巣も少し大きくなり初めの頃、身肉は充実し、脂が乗り旨さの最盛期となる。

例:近海の本マグロ

9月の中旬頃より、各地で少しづつ漁獲量が増え始める近海の本マグロ漁は初冬頃に移ると津軽海峡の一本釣り漁が注目される。
津軽海峡のに回遊してくる烏賊を追って、本マグロ達も大挙して回遊してくるからである。

この時期の鮪たちは、翌年の春先の産卵の準備のために貪欲な食欲を発揮し、丸々と太り、惚れ惚れするような芳醇な香りと、旨味たっぷりの濃厚な脂を乗せている。
マグロの価値は、脂がどれ程乗っているかにかかっているが、津軽海峡のマグロ達は脂の乗りと共に、鮮やかな身肉の鮮紅色と血潮を思わせる、鮮烈な香りの旨さを湛え、熱狂される。

3 漁獲量的盛り(名残)の旬

産卵の準備のために、海面近くや浅瀬に移動し、エサの喰いが激しくなり、漁獲量の増大するじきである。
卵・精巣がさらに肥大化し、産卵直前の時期となっている。身肉の旨さは卵・精巣の肥大化に吸収され、旨さの盛りの時期を通過してしまっていることが多い。
卵・精巣の肥大化すると、身肉は痩せはじめ、腹身は薄く、破れやすくなる。

しかし「旨さ盛りの旬」と「漁獲量的盛りの旬」とが一致する魚介類も多い。

例:鰤・勘八・戻りガツオ・サンマ・鮭・カニ

大量に漁獲される時期の最盛期が、旨さの盛りの旬と重なることが多い。

干物になったサメ君

その時期、その旬にあった魚を食べていきたいね。

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