築地魚河岸の言葉

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日本一の魚河岸!東京中央卸売市場。
歴史は古く、その中で使われている業界用語を軽くまとめてみました。

あにき {兄貴}

古い在庫のこと。魚河岸から伝わり、寿司屋などでも使う。
「あんちゃん」 「おにいちゃん」とも言う。

おねいさん {お姐さん}

女性に向かって「オバサン」の4文字を発するのは。河岸ではご法度である。
河岸では年齢に関係なく、全ての女性は「お姐さん」で通っている。

かし {河岸}

築地市場の通称。河岸とはもともと、水運が物流の主流だった江戸時代に荷揚げを行った場所のこと。
当時は、米河岸、塩河岸、大根(だいこ)河岸のように「○○河岸」という場所が数多くあったが、なかでも魚河岸が一番規模が大きく、単に「河岸」といえば魚河岸のことを意味した。その名残から慣例的にこう呼んでいる。

ぎんりんかい {銀鱗会}

昭和26年、融資により発足した魚河岸の文化団体。
市場内のあらゆる業界の人々が加入し、相互の親睦と、業種にとらわれない自由な意見交換の場所として活発な活動を行ってきた。会報誌「銀鱗」を通じ、河岸のさまざまな問題(市場論や経営課題から、世間なみに日曜日を休市としよう、といった事まで)を論議して。市場の発展に多大な影響を与えた。

しんだ {死んだ}

河岸では三日も顔を見せないと「死んだ」ことにされてしまう。ちょっと風邪を引いただけでも、「ガンだったらしい」とか「脳卒中だぜ」などと死因まで勝手に決め付けられたりする。
さらに、「昨日、通夜だった」などとまことしやかに言い出す輩まで出てくる。しかも、冗談で言っているうちに、みんな本当に死んだと思い込んでしまうから、また不思議である。
しかし、本人がひょっこり貸しに出てくると、みんな別段驚きもせず、何事もなかったかのように元通りの付き合いをする。本人も噂に怒るわけでもなく、別の誰かが河岸を休んだりすると、「奴は死んだな」などと今度は自分が率先して噂を流したりする。

せりごえ {セリ声}

「チェキラ、ピンマルピンピンインニ、オッインゴ、ンゴンゴ、ハイッ!」
威勢のいいセリ声だけど、なんと言っているのか素人にはわからない。
ちなみに翻訳すると
「キロ千円出た、千百だ、二百・・・おっと五百出たよ、千五百だ、千五百、はい、決まりました」
なるほど素人には理解できる訳が・・・ない

たいへんだ {大変だ}

河岸で何かというと使われる言葉。
でも本当に大変なことはまずないといってよい。市場人事件好きであって噂好きでもある。
実際河岸では毎日小さな事件はひっきりになしに起こる。「大変だぁ~、包丁で腕落としたそうだ」「大変だよぉ~、人が轢かれて瀕死の重傷だってさ」・・・・。実際には包丁で切ったのは指先だったり、買出人が小車に足踏まれただけだったり、とこいうオチになるわけだが、とにかくまずは「大変だ~!!」と、とりあえず大騒ぎになるのが河岸の日常。しかし、一分後には何が大変だったのか覚えているものはいない。

つきじひょうじゅんじかん {築地標準時間}

河岸の朝は早い・それもハンパでなく早い。何しろ前日夜の長距離トラックの到着をもって早朝と思っている人もいるのだからかなわない。
およそ午前6時に繁忙のピークに達し、お昼にはほぼ店じまい。
日が傾く午後三時過ぎには市場内はすっかり閑散となり、市場人にとっての真夜中となる。

つれていく {連れて行く}

魚を買う。中卸が買出人に対して「いい魚だよ。どうか連れて行ってよお」などと使う。

でぶろく {デブロク}

大きさがまちまち。大小取り混ぜたさま。「このイワシ、ケースの中はデブロクだよ。」

どれす {ドレス}

「ヘッドレス」の略。「ドレスマグロ」といえば、「頭の付いてないマグロ」の意。
頭付きで内臓をとったものをセミドレスと呼ぶこともある。最近ではGGと呼ばれることが多い。

・冷凍魚(マグロ)の加工段階
@ラウンド (丸々の状態)
@セミドレスもしくはGG (頭付きエラ、はらわた抜き)
@ドレス (頭なし)
@フィレ (三枚卸し)
@ロイン (背節、腹節に分けた状態)
@ブロック (ロインを細かく切ったもの)
@ステーク (サク)

ばかやろう {馬鹿野郎}

築地市場の中卸の間で何かと使われる言葉。
「馬鹿野郎、この魚はいくらだ?」「馬鹿野郎、景気はどうだ?」・・・会話のすべてに馬鹿野郎がつく。
つまり挨拶代わりの慣用句として用いられているのであり、罵りの意味とは限らない。
「こんにちは」と同じ意味くらいにとらえておけばよし。

ぱそこん {パソコン}

一般でいうところの電卓。河岸ではパソコンといえば電卓のことを指し、市場人は「パソコンなら俺も使っているよ」と平気な顔で電卓を見せる。「パーソナルコンピュータ」=「個人用電子計算機」・・・間違ってはいない。

ふちょう {符牒}

河岸では魚の値段を伝えるために、数字を文字に置き換えた符牒をよく使い、一般的に使われる。
「通り符牒」と中卸が商売上使う独自の「内符牒」とに大別される。

ピン:1 リャン:2 ゲタ:3 ダリ:4 メノジ:5 ロンジ:6 セイナン:7 バンド:8 キワ:9
などは寿司屋で聞いたことがあるでしょうか?これらの言い回しは河岸を通じて魚屋、寿司屋などに異業種にも広まっている。
「内符牒」は中卸店舗で客に知られないように帳簿に値段を通すときに使われる。
「宝船入り込む」だったら
た:1 か:2 ら:3 ぶ:4 ね:5 い:6 り:7 こ:8 む:9
などのようになる。語呂あわせで3400円などの場合「らぶ」という。
その他は
「商いの幸せ」 「いつまでも変わらず」 「白浜の朝霧」 「朝起き福の神」 「いつも栄えます吉」
などがある。

ぽんころ {ポンコロ}

一本(尾)単位での売買。「こいつポンコロでいくらだい?」などという。

わかいし {若い衆}

中卸の下で働く使用人の通称。河岸では下働きのものを年齢に関係なく「若い衆」と呼ぶ。
「今若い衆にいかせるよ」といわれて待っていると、とんでもないおじいさんが現れることもある。
「若い衆さんで?」と訊くと「へえ、そうです」と答える。河岸では生涯「若い衆」で終わる者も多い。

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